原理
ポリリン酸とアデノシン一リン酸(AMP)とATP増幅酵素を混合します。この状態ではATPはできませんが、反応系に少量のATPを加えると、即座にATP増幅酵素のアデニル酸キナーゼ活性によって、二分子のアデノシン二リン酸(ATP)が生じます。できたATPはポリリン酸とATP増幅酵素のポリリン酸キナーゼ活性によって、二分子のATPに変換されます。この反応が繰り返されて、多量のATPが数分のうちに作られます(左図)。
応用1
ATPは、全ての動物、植物、微生物などの生命体に存在する物質です。ホタル由来のルシフェラーゼはATPのエネルギーを使ってルシフェリンを酸化し、その際に一つの光子を発する(生物発光)ので、ATPの微量検出に使われています。この技術は衛生検査の現場で微量の微生物の迅速検出に使われています。ATP増幅技術を用いることによって微生物の検出感度が飛躍的に向上します。具体的には、この技術を利用して生物発光によるATPの検出感度を約10,000倍上昇させ、1匹の大腸菌でも検出することもできます。
応用2
ATPは様々な生化学反応に利用されるエネルギー物質です。ATP増幅反応はAMPからATPの再生反応としても利用できます。これまでATPの再生には高価なクレアチンリン酸などを利用したものがありました。しかし、ポリリン酸は非常に安価な物質なので、大量の生体エネルギーの再生に有効です。
商品概観
ATP増幅酵素 100マイクログラム、ポリリン酸入り 20,000円
Code BENX0001
注意 BENX0001には微量のATPがすでに含まれていますので、AMPとポリリン酸を加えると自動的に増幅反応が開始されます。混入するATPが極めて少ない超微量ATP検出用のATP増幅酵素は今後発売予定です。
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